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尊敬する教授との出会いをきっかけにアメリカの大学院留学を決意! 松崎先生の大学院留学経験とは!?【教職員インタビュー】

みなさんこんにちは!MuBOインタビュー企画部です。

今回は、政治経済学部でACEプログラム(Advanced Communicative Englishの略)科目や留学準備講座などをご担当されている、松崎武志先生にお話を伺ってきました!

今まで留学へ飛び立つ学生をたくさん指導してこられた松崎先生。そんな先生の考える留学の意義とはいったいどのようなものなのでしょうか?

留学に少しでも興味のある方、ぜひご一読ください!

Profile

松崎 武志

明治大学 政治経済学部 特任准教授

1997年3月 明治大学 商学部 商学科 卒業

1999年5月 ペンシルバニア大学教育学大学院 英語教授法 修士課程 修了

2016年4月 東京外国語大学 総合国際学研究科 言語文化専攻 博士後期課程 修了(博士(学術))

現在の専門分野

第二言語習得(Second Language Acquisition), 英語教授法(TESOL), 

-Prologue-

1.尊敬する人との出会いと留学―人生最大の後悔とは?

2.松崎先生の考える「留学の意義」

3.時間をかけてお互いを知ることー生徒との信頼関係とは

1.尊敬する人との出会いと留学―人生最大の後悔とは?

インタビュアー 山崎:本日はよろしくお願いします!

松崎先生(以下 先生):よろしくお願いします。

山崎:まずは、先生の簡単な経歴についてお伺いします。先生はたしか明治大学のOBでいらっしゃいますよね?(ちなみに、インタビュアーは松崎先生と面識あり)

先生:そのとおりです。実は僕は二浪して明治の商学部に入りました。受験生のとき、これといって特に学びたいこともなく、受験日程の関係で明治は商学部を受験しました。当時は大学に入ることがゴールみたいな感じで、商学を学びたかったわけでもなく、そして二浪もしてしまった反動で、最初の2年間は真面目に授業を受けていませんでした(苦笑)。

山崎:どこかターニングポイントはあったのでしょうか?

先生:自分の将来について真剣に考え始めたのは、3年生になってからです。今のみなさんの感覚からすると少し遅いと思われるかもしれませんね。まず、2年生のときまでつるんでいた友人がみなそれぞれのゼミで忙しくなりはじめました。僕はというと、第一希望のゼミには入れず、二次募集で某ゼミに合格できたのですが、3年に上がる前の先輩たちとの勉強会のようなものに参加したときに「これは違う」と思い、ゼミ無しの道を選択していました。それで、3年生になって、一人になって、卒業まであと2年という実感も湧いてきて、やっとというか自然と将来について真剣に考え始めたわけです。それで、質問の「ターニングポイント」ですが、はい、ありました。3年生の夏休み中に和泉キャンパスで開講された英会話集中講座に参加したことです。英語はもともと得意科目だったこともあって大学入学後も個人的に継続して勉強していましたが、3年生になって英語の必修授業がなくなって、なんとなく、何か英語の授業を受けたいなと思って、また今思えば自分探し的な意味合いもあって、この講座に参加しました。そこで僕にとってのメンターとなるフィリップ・ジトウィッツ先生という方と出会いました。ジトウィッツ先生との出会いが僕の人生の転機でした。今の政経学部生は知らないかもしれませんが、ジトウィッツ先生は実は政治経済学部の教授でACEを教えてもいらっしゃいました。とても悲しいことでしたがジトウィッツ先生は数年前、引退を前にして亡くなられてしまいました。アメリカ出身の演劇の先生で、英語教育を専門的には学ばれていなかったかもしれませんが、演劇のスペシャリストであったので、人を引きつけることに非常に長けていらっしゃいました。その上、驚くほど学生思いの先生で、「この人は本当に人間が大好きなんだな」とよく思ったものです。分け隔てなく人に接するジトウィッツ先生の姿に憧れて、自分も先生のような人間になれたらな、と思いました。

山崎:素敵な先生だったんですね。

先生:あのとき、自分の進路がまだ決まっていなくて、ゼミも合わなくてすぐやめていたわけなので、今思えば、とても悩んでいたのだと思います。そんなときにジトウィッツ先生にたまたま出会うことができたわけです。今思えば、先生との出会いがきっかけで、予備校生時代にお世話になり憧れていた先生たちのことも思い出していたのだと思います。それで、教える仕事に就こうと、そして得意の英語を教えようと決心したわけです。

山崎:留学に行こうと思った具体的なきっかけ(理由)は何でしたか?

先生:当時の僕は英語のリーディングと文法は得意でしたが、スピーキングが全くダメでした。英語で誰かと話すなんていう機会はほぼゼロでしたから。当時、英語をロクに話せない日本人の英語教師がゴロゴロいましたが、僕は「これからの時代は英語を話せなければ英語教師として通用しない」と思い、それで留学することにしました。実は僕は大学卒業するまで、海外に行ったことが一度もありませんでした。当時はネットもまだまだ普及していませんでしたが、情報がない中でどこに行こうかと考えたときに、どうせ留学するなら学位まで取ってこようと思い、TESOL(注:英語が母語ではない人に英語を教えるための教授法で、世界中の様々な認定機関に学習コースが設置されている)の修士をとることに決めました。つまり大学院留学です。TESOL修士課程のプログラムはアメリカに多くあったと思いますが、行く地域については、最初から、漠然とアメリカ東海岸にしようと決めていました。

山崎:それ、すごくわかりますね(笑)。

先生:東海岸に対して、なんとなく洗練されたイメージがあったのだと思います。今考えてみると、実際はたとえば西海岸であってもそんなに変わらないと思いますが…。それで、いくつか東海岸の大学院に出願して、合格した中で一番良かったと思ったのがペンシルバニア大学(以下:ペン大)だったわけです。ペン大学では2年かけてTESOLの修士を終えました。

山崎:周りの留学生はどのような感じだったのでしょうか?

先生:ペン大のTESOLコースに関しては、当時、アジアからの留学生が多かったです。僕の代では台湾人と韓国人が多かったです。中国人はいなかったかもしれません。日本人は数名でした。当初、英語ネイティブの人と友達になりたいと考えていたので少しがっかりした記憶がありますが、今思うと、自分と同じくらいの英語レベルで日本語ネイティブではない人たち、そして英語教師になりたいという同じ志を持った人たちと拙い英語でコミュニケーションを取り合いディスカッションするというのが自分に合っていたのだと思います。一年後には後輩ができ、なぜか一年下の代は英語ネイティブが多く、英語ネイティブの親しい友人も出来ました。このうちの一人はいま日本の某大学で英語を教えていて長い付き合いになっています。

山崎:留学に行く前と後で何か変わったことはありましたか?

先生:英語に関しては、まずリスニング力が上がりました。留学に行く前までリスニングは最も苦手でしたが、2年半留学した結果、ある程度、力がついたと思います。スピーキング力もそこそこ伸びたと思います。ただ、実を言うと、リスニングとスピーキングが大きく伸びたのは帰国して仕事を始めてからです。もちろん、これは、留学で身につけた基礎力があったからこそだとは思います。意外に聞こえるかもしれませんが、留学している最中に大きな伸びを実感したのは読解スピードです。例えばTOEFLの試験で留学に行く前まではリーディング・セクションを試験時間ギリギリで読み終えていましたが、留学開始後3か月くらい経って受けたTOEFLの模擬試験ではリーディングが自分でも驚くほど簡単に感じたことをはっきり覚えています。学部留学も同じだと思いますが、大学院留学ではとんでもない量のリーディング課題が出るのです。これを四苦八苦しながらこなしていたら自然とリーディング力が伸びたのでしょう。多読の重要性を実感しました。ライティングについても言っておくと、ライティング、というか学術ライティングのスキルを大きく伸ばすようになったのは、やはり帰国後、ネットのリソースを駆使して作文するようになってからだと記憶しています。ですが、無論、留学中に積んだライティングのトレーニングがあったからこそ、帰国後にスキルアップできたのだと思います。

山崎:なるほど。それだけ留学中に英語力が上がったということですね。では一方で、留学を通じて、何か後悔していることはありますか?

先生:ひとつとても後悔しているのは、PhD(博士)を取らなかったことこのことは、今でも後悔してもしきれません。

山崎:それ、去年から言っていますよね。

先生:そう、20代の内に博士を取っていたら人生違っていたはずだと心から思っています。

山崎:どのような面においてですか?

先生:仕事の面です。今の時代、大学教員として終身雇用の専任職に就くにはPhD(博士)はマスト。僕は留学していたとき、実は、大学教員になろうとは考えていませんでした。なので当時、博士まで終えておくことは僕にとってプライオリティではなかった。しかし、紆余曲折あって大学教員の道に進むことになったのですが、PhDがなかったことが僕のこれまでのキャリア形成に大きく影響してきているわけです。今、僕が教えている学生さんから相談があったときには僕の経験を伝えるようにしています。もし大学教員になりたいのだとしたら、必ず博士まで終えておくようにと、そして若いうちに終えておくようにと。ただし、今の時代、どのような職種であれ要件というかハードルがどんどん上がってきています。「博士ホルダー=良い大学専任職に就ける」ということではなく、博士は最低条件とも言うようにしています。

2.松崎先生の考える「留学の意義」とは?

山崎:それでは、インタビューの本題でもある、松崎先生の考える、留学の意義について教えてください。

先生:自分の世界を広げられる、これに尽きると思います。日常から離れ、色々と自分にとって新しいことを体験するわけです。旅行でも非日常を体験できますが…。

山崎:逆に旅行と違うところはどういったことでしょうか?

先生:自分の限られた経験で言うと、深く、そして長く関わっていける人に出会えることでしょうか。旅行ではなかなか生涯の友人を作ることが難しいと思います。

山崎:仲間との出会いですね。

先生:長期留学で来ている人というのは、多大な投資をして、決意を胸に来ているわけです。そういう人は、表現するのが難しいのですが、とても明るいというか、ものすごくプラスのオーラを発しているというか。それで、そういうポジティブな状態の人同士は、すごくうまくいきやすいのだと思います。僕は留学中、日本にいたときよりも、テンションが高い状態でいられました。言い換えると、より魅力的な状態でいられたのだと思います。留学中僕の周りにいた留学生たちもおそらく同じで、そのような人たちと出会える良さが留学にはあるのではないでしょうか。

山崎:新たな自分を見ることができるということですね。

先生:新たな自分…まあそうですね。今でも出来ることなら、また長期留学に行きたい思いはあります。いまは妻と子供がいて両親も年老いてきているので現実的には無理ですけどね…。だから長期留学は若いうちに経験することをお勧めします。

山崎:若いうちだからこそ経験できることがあるというわけですね。ところで、留学中に思っていたのと違う(生活面や学習面で)ことが起こった時に、自分が立ち直るために取っていた行動はありますか?

先生:僕は当たり前ですが英語を話せるようになりたかったので、人と積極的にコミュニケーションをとるようにしていました。ですが正直なところ人と話すことがそれほど好きではないので、また拙い英語でトライしていたわけですから、なかなか思い通りにいかず、かなりストレスを抱えていました。それで、心のバランスを保つために、一人の時間を大切にしていたと思います。よく歌っていましたね、ひとりで(笑)。歌うことが僕にとって、当時は、手っ取り早いストレス発散法でした。ちなみに僕は歌が下手ですが、自分の部屋でひとりで歌っている分には誰にも迷惑がかかりませんから。(一同笑い)

山崎:日本語の歌ですか?

先生:サザンとかミスチルとか…。だんだん歌うことが習慣化していって、オランダ人のルームメイトはうんざりしていたかもしれません。うん、彼には迷惑をかけてしまいましたね。まあ彼にもここで詳しく話すことはしませんが問題があったわけで、ルームメートとの共同生活とはお互い様、そういうものなのでしょう。

3.時間をかけてお互いを知ることー生徒との信頼関係とは

山崎:最後に、先生が学生を教えるうえで大切にしていることは何でしょうか?

先生:15年間教えてきて大切だと考えていることは、一人ひとりがまだ身につけていないこと、これから伸ばさなくてはいけないところを気づかせ、そして行動を起こさせてあげることですね。でも、これがとても難しい。「あなたはここが足りないからこうしなさい」と指摘することはとても簡単です。しかし、学生がそれで変わっていってくれなければ教師の自己満足に終わるわけです。変化すべく行動を起こしてもらうためには、そのためには教師は学生から信頼されていなければならないと考えています。なので僕が日頃から大事にしていることは、時間をかけて学生のことを知り、そして僕のことも知ってもらうことです。お互いのことをよく知らない状態で一方的に何かを指摘しても、それは伝わらない、響かないと思います。ですから、時間はかかってしまいますが、伝わるタイミングを見極めて個別指導するよう気をつけています。

尊敬する人との出会いが、留学へとつながり、そして仕事にもつながっていった松崎先生。

先生の考える留学の意義とは、「自分の世界を広げられること」、そして「仲間との出会い」が得られることでした。

これから留学に行きたい!または興味があるけどまだ一歩が踏み出せない…。そんな方も、是非周りの人との出会いを大切にしてみてください。

松崎先生、貴重なお話をたくさんお聞かせくださりありがとうございました!

次回もお楽しみに♪

インタビュアー:山崎  編集:町田


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